「バーソは自由に」

考え方はいろいろあるから面白い

 天使が人間を羨む映画『ベルリン・天使の詩』。 


人の幸せとは、たとえば、手の肌のぬくもりを感じること。

天使は羽がない、頭上に輪がない、普通の格好をしているという話があります。
どうやって人間と見分けるのか?を考えると、一晩中 眠れなくなりますね。
天使は人間の姿で何をしてるのか?を考えると、二晩中 眠れなくなりますね。

先日、テレビで見た、天使が主人公の映画『ベルリン・天使の詩』の話です。
ドイツ在住の天使の行動を見たら、私は人間である幸せをよく理解できました。
その晩は心地よい余韻が持続し、朝までよく眠れました。


wings-of-desire.jpg
 1987年公開 仏・独合作映画 ヴィム・ヴェンダース監督

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
守護天使ダミエルは、友人の天使に、人間の素晴らしさを語る。

天使ダミエルは、天空から人間のあらゆるドラマを見守ってきた。
彼の耳には、様々な人々の心の呟きが飛び込んでくる。
彼の姿は、子どもには見える。

だが、ダミエルは、
モノクロームの映画のような感情や起伏のない霊の世界に飽きた。
彩り豊かな人間として生きたい、と友人の天使カシエルに言う。

「霊として生きるのは素晴らしい。
でも永遠の時に漂うよりも、自分の重さを感じたい」

天使の詩 016
(天使役のブルーノ・ガンツ)

「いいもんだろうな。
体温を持ち、新聞で手が汚れる。
食事したり、うなじに見とれ、耳に触れる」

「歩くと、骨の動くのを感じる。
靴を脱ぎ、足の指を伸ばす。はだしの感触を味わう」
「長い一日のあと家に帰り、フィリップ・マーローのように猫に餌をやる」
 
 (※レイモンド・チャンドラーが生み出したハードボイルド小説の探偵)

「全知ではないから予感を味わえる。
真っ赤な嘘をつく!。
“アーメン”ではなく、道行く人々の全悪霊を吸い込んで一気に吐く!とか、
荒れ狂う! きっと気持ちいいだろうな」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
二人の天使は、地球の創生と人類の歴史を回顧する。

「サバンナから、ひたいに草をつけた二本足の、待ちに待った我らの似姿
現れ、初めて言葉を発した。
“ああ”だったか、“おお”だったか、それともただのウメキだったか。
人間を見た我々は、初めて笑ったのだった」

 (※「神は、神に似た様に人を創った」。旧約聖書・創世記1:26)

「男がひとり輪から抜けて走り出した。
有頂天で、何度も大きなカーブを描いて走る男の自由な姿につられて、
我々も笑った」

「だが、突然、男がジグザグに走り出し、男に石が飛んだ。
あれから、戦争というもう一つの歴史が始まり、今に続いている・・・」


天使の詩 104
(右は友人天使役のオットー・サンダー)

「しかし、原初の草と大洋の歴史、跳躍と叫びの歴史も、続いている」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ダミエルは、「壁」を境に東西に隔てられた街ベルリンに降り立つ・・・。

本人役の俳優ピーター・フォーク(※)が、見えない天使ダミエルに語りかける。
(※刑事コロンボで有名だが、ここでは元・天使だったという設定)

「見えないが、いるな? 感じてる、ずっと感じてる。君の顔が見たい。
こっちがどんなにいいか教えてやりたい」

「冷たいものに触る。いい気持ちだよ。
煙草を吸う。珈琲を飲む。一緒にやれたら言うことなしだ」

「絵を描くのもいい。鉛筆を持ち、太い線を引く。
それから細い線。二本でいい感じの線になる」

「手が かじかんだら、こすり合わせる。これがまたいい気持ちだ!」 


天使の詩 165


「素敵なことが山ほどある。
でも君はいない。僕はいる。
こっちに来たらいいのに。話ができたらいいのに。友達だからさ」

「知りたいんだ。何もかも」
と、人間になった天使ダミエルが言うと、
元・天使のピーター・フォークは、こう答える。
「自分で発見しろ。面白いよ」


天使の詩 177

やがて、ダミエルは、閉鎖寸前のサーカス団で空中ブランコをしている
聡明な女性マリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)に恋をする・・・。

天使の詩 143


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
人生は、私たちが思っているよりも、はるかに面白く、素晴らしく、美しい。

私が印象に残った言葉は、人類最初の「男は有頂天で、自由な姿だった」と
「手が かじかんだら、こすり合わせる。 これがまたいい気持ちだ!」でした。

天使たちは街中にいるときでも、「見ろよ、ブレーキのあと。 ほら、吸い殻が転がる」
と言って、人間世界のごく普通の出来事に、驚きや喜びや感動を表しています。

もし私たちがもっと純真無垢な心でまわりの事象を見ることができるなら、
きっと幸せと不幸せとを分けている「壁」を打ち壊すことができるのでしょう。
そして、たぎるような魂の震えを身体の芯から感じるのでしょう。

この地球の上には、実は、幸せの種がどこにでも転がっているようですね。


☆映画『ベルリン・天使の詩』のYouTube ⇒ コチラ
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ヤバい・・・

なぜだか、ちょと・・・うるうるしてきたv-409

いつも素敵な映画や本を教えてくださってうれしいわぁ
「オーケストラの少女」も、とてもよかったし、今回のも買ってみようかな

手のぬくもりを感じる・・・うーん、いいわぁ
わたくし冷え性だから、よくダーリンの手で暖をとるけれど(笑)

まっ、そんな冗談はさておき、体温を持ち、人のぬくもりを感じ
自分の重みを感じる・・・深いわぁ

ごめんなさい、こんなコメントしか書けなくて(涙)

2013/02/13(水) |URL|きまぐれひめさま [edit]

きまぐれひめさま ありがとうございます^^)

「オーケストラの少女」、やっぱりDVD買ったんですね。
少女の歌うベルディの「乾杯の歌」は、なかなかよかったでしょう。

じつは何日か前、「オーケストラ」という映画をテレビで見たんです。
https://www.youtube.com/watch?v=jyxtWUsvBBM (2010年日本公開)
これもなかなか感動的な映画でしたよ。
テーマ曲は、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲ニ長調でした。

>体温を持ち、人のぬくもりを感じ
そして、
>自分の重みを感じる・・・
ですか。
んー、とっても深い、重い言葉じゃないですか。(^_^)v

あ、わたし、手が暖かいとよく言われます。
子どもたちからですけどね。(#^.^#)

2013/02/13(水) |URL|☆バーソ☆ [edit]

『オーケストラ』、わたくしも録画していて、つい先日拝見したところ♪
いい映画だったわよねぇ 同じ頃に見ていたのかも(笑)

お会いすることあったら、手をにぎにぎさせてねぇ☆

2013/02/13(水) |URL|きまぐれひめさま [edit]

きまぐれひめさま ありがとうございます^^)

まあ、ちょっと驚きました。
これこそシンクロニシティなんでしょうか。
古い言い方だと、不思議なご縁です。

あ、それから、その件については、光栄です。(;^_^
でもほんとによろしいんでしょうかね。ふはっ(#^.^#)

2013/02/14(木) |URL|☆バーソ☆ [edit]

おじゃましま~す
最近ずーっと何年も
人と手を触れたことないbabaです
年よりにも手のぬくもりを感じることは
必要だと思います(^_^;)

2013/02/15(金) |URL|babatyama [edit]

lady-babaさん ありがとうございます^^)

なにを隠そう。わたしも同様の身でーす。(;^_^ 
チョコは、ちょこっとも貰っておりません。「(゚ペ)
手のふれあいも、あれはいつの日だったか。(ノ_-。)
お互い、めげずに励ましあってまいりませう。(^Δ一)

2013/02/15(金) |URL|☆バーソ☆ [edit]

映画を見るのがかたよっているのか、
ピーター・フォークさんは、刑事コロンボしか
見たことがありませんでした。

天使に関係した映画って、たくさん作られているんですね。
調べてみたところ

ベルリン天使の詩 エンゼルハート マイケル レジェンド / 光と闇の伝説
アンジェラ ノースフォーク/天使がくれた奇跡 デビル  
シティ・オブ・エンジェル 素晴らしき哉、人生! 天国から来たチャンピオン
天使の贈り物 ディアボロス コンスタンティン エンド・オブ・デイズ

と、沢山ありました。

私は、ベルリン・天使の詩は、まだ見たことがないですが、
ディアボロスと  エンド・オブ・デイズ、を見ました。



天使は出てきませんが、
『天使にラブソング』が、 個人的に好きです。



2013/02/17(日) |URL|ゆりママ [edit]

コンニチワ!

アニメの攻殻機動隊の中に似ているシーンが
あるなあと想っていたら、
この映画のオマージュで、
攻殻機動隊のあのシーンが作られていたんですね~。
なんのこっちゃでしょ~(笑)スイマセン。

この映画観てみたいです!

どうも、新しいものだけに新鮮さを
感じないようにしている
ワタシのセンサーはこわれています。
だって、古い新しいなんて関係なく
常に目の前に新鮮さなんてあるはずなのに~。

一枚目の写真、めちゃくちゃカッコイイです!
アリガトウゴザイマシタ~!

2013/02/18(月) |URL|なりびと [edit]

ゆりママさん ありがとうございます^^)

わざわざ調べることまでしてコメントを書いてくださり、ああ、感謝です
(※語尾に、わたしとしては珍しく感嘆符を打ちましたよ)
ブログの内容によっては、コメントを書くのも大変ですよね(すみませんね)m(_ _)m

この中で印象に残ってるのは「アンジェラ」。とてもいい映画でしたね。
「天使にラブソング」は続編も見ましたが、心温まる、いい映画でした。
わたしは、映画はテレビで見るだけなので、あまり詳しくないんです。

「天使の詩」は、天使を主人公にした現代版イソップ物語ですね。
天使が人間を羨むという設定で、《人間であることの幸福》を教えています。

病気になって初めて健康の有難みが分かる とよく言われますが、
人が普段享受している幸福は、普段は案外わからないものなんですね。
おっと、この点はゆりさんのほうがよくご承知のことでしたね^^)。

2013/02/18(月) |URL|☆バーソ☆ [edit]

なりびとさん ありがとうございます^^)

アニメはまったく知らないので、検索してみました。
ほんと、よく似たシーンがありました。下記はYouTubeです。
http://www.youtube.com/watch?v=H4nPln529kI&list=UUrcKiREPHpGBXwi-qELSXSw&index=7

内容も確かにオマージュのようですね。こんな解説がありました。
http://blog.goo.ne.jp/samael01/e/bd924e19c506f971bc8ca4fb34a703b4
  (映画の)天使は「見えない」とこと、バトーの「光学迷彩」が係っていて、
  よくできてるなーと思います。
  お話も微妙に似ているようにアレンジしてあるし。
  でも、切ないのは同じ。
  そして映像に色が少ないのもよく似てる。

わたし、「切ない」という気持ちが かなり好きですね。
「甘くて、切ない」と、もっといいです。
でもそんな感情は、物語や映画を見ることでしか感じられないのが残念です(ノ_-。)

2013/02/18(月) |URL|☆バーソ☆ [edit]

バーソさんへ

こんにちはAKIRAです。
面白そうな映画ですね。

ワタクシ今年はDVDを洋画9本邦画5本しか
まだ観てません。今年はスロースタートです。

『ベルリン・天使の詩』TSUTAYAにあったら借りてみますね。V

2013/02/18(月) |URL|ARAKI AKIRA [edit]

ありがとう

ありがとうございます。
こちらのブログこそ宝の山です。
私の好きな映画、音楽、小説などへの言及がたくさんあってうれしいです。
YOU DID’NT いいですね、最後の一行。いかん、涙が・・・。
「切なさ」、私も好きです。「感傷」と言われようとね。(笑)
STEWARTさんの「朝食」も切ないです。
http://elleander.blog103.fc2.com/blog-entry-744.html

2013/02/18(月) |URL|エリアンダー [edit]

ARAKI AKIRAさん ありがとうございます^^)

学生時代は、映画館に土曜は1館、日曜は2館ハシゴしたものですが、
いまはテレビで放映されるのをたまに見る程度です。
もっぱら洋画専門です。邦画はほとんど見ません。

AKIRAさんはDVDだけでも、去年は165本(月平均13.75本)。
今年は2/18半ばで14本ですから、月平均9.3本。多いですね。
映画が本来好きなのと、やはり筋立てや場面転換などが、
小説を書く際の参考になることもあるのでしょうか。

天使の映画では、身長180センチのスーパーモデルが天使に扮した
『アンジェラ』も面白かったです。これもおすすめしたいですね。
2005年のフランス映画。監督はリュック・ベッソンです。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=64yyOBuEuEY#!

2013/02/18(月) |URL|☆バーソ☆ [edit]

エリアンダーさん ありがとうございます^^)

趣味や好みの範疇が近いようで、うれしいです。
そちらさまのブログを拝見したら、
笑いや悲しみなど、感情の高まりのレベルではかなわないなあ
と思いました。が、まあ、めげずにいこうと思っております(;^_^

STEWARTさんの「朝食」も、確かに“切ない”ですね。
どうも、共感しやすい年齢に近づいているせいでしょうか(苦笑。

夕べ最後のコメントの返信をして電源オフしたつもりだったのですが、
朝見たら、エリアンダーさんのコメントが、その私の返信コメントより
3分早く入っていました。そういうわけで、返事が遅れてすみません。
相互リンク、ありがとうございました。^^)/

2013/02/19(火) |URL|☆バーソ☆ [edit]

こんにちは

こんにちは

最近太ってしまい、自分の重さが感じられすぎているhasutamaです
天使が、自分を物質として感じてみたい思っているなら、悪魔はどんなこと思っているのかも気になってきました

悪魔系の映画では、ゲーリー・オールドマン主演の「ドラキュラ」が好きです これを見ると、悪魔は悪魔で苦労しているのかな・・i-179あくまで想像ですが(いや、ただのだじゃれ)

「ベルリンの詩」、おじさんたちが天使なんて!?と思ったけど、あのコロンボ刑事までが天使となると、かえって親しみがわいてきました ぜひ見てみようと思います♪


2013/02/19(火) |URL|hasutama [edit]

hasutamaさん ありがとうございます^^)

天使がうらやましがる人間の人生の奥深さ。
hasutamaさんは、そういうことを敏感に感じ取れるおひとのようですね。
そのうえ、言葉の洒落もお得意のようで、この点は同じ波長を感じます(笑。

衣裳デザイン石岡瑛子の『ドラキュラ』は見てないのですが、
ゲイリー・オールドマンが出てる『ザ・ウォーカー』は見ました。
味のある、いい顔をしてますね。聖書に恋焦がれる役でした。

その聖書は、天使(み使い)は人間の中にもいると言っています。
「旅人をもてなすことを忘れてはならない。
ある人は気づかないでみ使いたちをもてなした」(新約聖書ヘブライ13:2)

その点、私は家の中では《お使い》役という端役をしております(苦笑。

2013/02/19(火) |URL|☆バーソ☆ [edit]

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