「バーソは自由に」

考え方はいろいろあるから面白い

 刀にまつわる言葉は、日常を地味に面白くしている。 

                 [バーソ青草文庫]
 「刀」に関係する言葉を四十一個入れ込みました。絵はアンドリュー・ワイエスの作品です。


刀と天国
 
 ある日の事でございます。神様は、刺青(いれずみ)と刀傷が目立つ男と一緒に、
天国の花園をぶらぶらとお歩きになっていらっしゃいました。
 何とも云えない好い匂いが、絶間なく辺りへ溢れております。天国はちょうど
朝なのでございましょう。


「次郎吉や、此処の居心地はどや?」
「へい、何だか夢みてえ。地獄で仏とはマジに此の事で」
「おいおい、此処は天国で、わいは神サンやで」
「ああ、そうだった。それにしても、この大泥棒のおれが、こうして天国に来ち
まったワケがまだ分からねえ」
「ええか、ホンマもんの神サンは愛の塊りみたいなもんや。愛と憎しみとは両立
せえへん。そやさかい、愛の神が人間を罰する事なんかあらへんのや」
「だから、おれのような者でも永遠の責め苦を受けたりしねえんだ」
 神様は、かつて男が一人の雲助を助けた事があるのを思い出しておられました。


 ws01.jpg

 「たこ焼き」のタコに代わる新人は他にいないのか。 

「今川焼き」は、モテ・・キャラが揃っている。
定番役者の小豆餡あずきあんの他に、抹茶入り餡、カスタードクリーム、チョコ、ポテマヨ、
ゴマ餡、ピーナッツ、ソーセージ、キャベツ炒めなど、多才な競演者たちがいる。

しかし「たこ焼き」は、ずうーっとタコ(蛸)役者の一人舞台だ。
いまだ有望な新人は出ていない。

好きなものを勝手に使えば「すき焼き」になり、まぎらわしいからだろうか?


 
 ベッキーの作る「たこ焼き」がイスラムの人たちに大ウケ。


「たこ焼き」の由来を見ると、人生はますます楽しくなっていると思えますよ。

 公平と平等の違いと、河鍋暁斎の鬼才。 

                  [バーソ青草文庫]

公平と平等

 或る真夏の夜であった。男が二人いた。
 夜中とも明け方ともつかない妙な空合いで、吹く風がキリっとしている。
 顔の青白い、手首まで彫ってある剳青(ほりもの)の目立つ小柄な男が、眼光鋭い
髭面(ひげづら)の大男の前でボソッと云った。

「ちえっ、地獄に来ちまったか。おれもヤキが回ったぜ」
「此処に来たもんは皆、最初そないゆうなぁ。せやけど、ちゃうでぇ。あんさん
は天国に来よったんや」
「ああ、情けねえ、青山の大名屋敷に忍び込んだはいいが、屋根でツルリと滑っ
て落っこちて、頭をガツーンと打っ…ええーっ? 此処は天国だって? 本当かい。
おめえ様は天国の番人かあ?」


 kawab88.jpg
 (絵は河鍋暁斎の作品を紹介しています。本文には関係ありません)

 「慚愧に堪えない」とは、自分と他者と天に恥じること。 

夏がとっても暑いから、こころ寒くなる参照亭バーソのハナシでもいかがでしょう。
とまあ、暑中お見舞いを兼ねまして・・・


「おや、熊さんかい、お上がり。この暑い昼日中によく来たな」
「あ~、よかった。安心した。ご隠居は、まだイカの一夜干しだわ」
「なんだ、まだイカの一夜干しとは?」
「へえ、まだスルメになってねえ」
「なにかい、あたしゃ、生けるミイラかい?」
「あははは、ご隠居。このハゲ―――ッの話、知ってますよね」
「おい、ひとの頭を見ながら言うやつがいるか。それがどうした」
「いえね、テレビを見ていたら、そのとき『残金が足りない』とか言われてたん
です」
「うーむ、それは、たぶん『慚愧(ざんき)に堪えない』じゃないかい?」
「それそれ」



 inu4.jpg

back to TOP