「バーソは自由に」

考え方はいろいろあるから面白い

 今日もまたかくてありなむ。藤村『千曲川旅情の歌』 


日本人横綱の19年ぶりの誕生で、いま大相撲にスポットライトが当たっている。
しかし話題にもならないのが土俵の安全性で、特に今場所は怪我人が多かった。
法的な国技ではないが、伝統ある神事だという認識が改善を阻んでいるようだ。

外人にラーメンが好かれている。だが麺をすする音が耐えられないらしい。
しかし日本では、ソバはズズーッと吸い上げて食べるのが習慣になっている。
日本の“食”の伝統にも、外国のマナーという慣習が攻め込んできているようだ。

5ball.jpg 

伝統とマナーは、どちらも人間が定めたもの。
守ったほうが良い場合も多いが、マンネリとはどう違うのだろうか。


 日常の瑣事と幸福の関係。芥川龍之介の『侏儒の言葉』。 

月並みなことでも、言い方により、印象深く聞こえることがある。

1962年のイギリス映画『アラビアのロレンス』の中で使われ、
2012年のアメリカ映画『プロメテウス』でも使われたフレーズもそうだ。


Big大きな things hav持つe smal小さなl beginni始まりngs.”

これは「大事は小事より始まる」という格言だが、
英語だと抑揚があり、脚韻も踏まれ、なかなか迫力がある。

 
英語で聞けます。(2分17秒時から、その部分のみ再生 →クリック)
 promete.jpg

日本の二人の作家が、小事を瑣事さじ(些事)と言い、幸福感を語っている。
高村光太郎は「日常の瑣事にいのちあれ」と書き、溢れる幸福感を詩に書いた。※1
芥川龍之介は「日常の瑣事」をこう見れば幸福になれる、と警句で論じている。

 ルビは、ふりがなという名のパラレルワー(ル)ドである。 

山手線四ツ谷駅横の「外濠そとぼり公園」は、江戸城外堀の姿を残す国指定の史跡である。
堀には貸しボート場があり、春は土手に並ぶ240本の桜が楽しめる。

小学5年生の頃、ボート場のお兄さんと仲良くなり、しばしば遊びに行っては、
裏の物置で見つけた講談社の講談本全集を片っ端から読んだ。

オレンジ色の表紙に「荒木又右衛門」とか「怪傑児雷也」と書いてある古びた本で、
難しい漢字が多かったが、ふりがなが振ってあったので子供でも難なく読めた。

当時の本とは違いますが、最新の電子書籍Kindle版『講談名作文庫』。
aaa560.jpg

漢字の横に付ける「ふりがな」は、昔の人が親切心で考案したに違いない。
※1、
「ふりがな」の活版印刷用語は「ルビ」※2。この賛否両論がなかなか面白い。


 百年前の1917年は、戦争と災害と“今日もコロッケ”の年だった。 


2017-100=1917

今から100年前に生まれ、一世を風靡した舞台芸人がいた。

そろばんを楽器のようにかき鳴らし、ブロークン・イングリッシュを操り、
「レディース・アンド・ジェントルメン、おとっつあん・アンド・おっかさん」
と舞台で挨拶を始め、「ざんす」言葉で司会をしたトニー谷である。

そのトニー谷とそっくりなのが、いまPPAPの動画で世界に知られたピコ太郎だ。
面長の顔、コールマンひげ、音楽のリズム感のいいところが非常によく似ている。

qqppap.jpg

ピコ太郎の登場でトニー谷が生まれた1917年とつながった、否、つなげた。(笑)
当時はどんな時代だったのか。百年前を見るのも面白そうだ。

社会の出来事を見ながら、著名な画家の絵を観るブログ記事になります。


back to TOP