「バーソは自由に」

考え方はいろいろあるから面白い

 富士は日本一のモチーフ。画家は一番頭を使って描いている。 


 スイスの「世界経済フォーラム」は今年、観光産業世界一に日本を選びました。
 外人旅行客が思う日本のイメージは、フジヤマを代表とする景観、そしてスシ、アニメ、ゲイシャ(着物)などの日本文化が定番のようです。

 富士は日本一の山。美しく、雄大で、荘厳です。その姿はてっぺんをわずかに切り取った単純な円錐形で、色彩豊かというわけでもないので、絵にするのはかなり難題です。なので昔から画家はみな創意工夫を凝らして富士山を描いてきました。

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小泉八雲も富士山が見える風景(静岡県焼津市)を描いている(明治30年8月4日) 


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 絵は構図と色遣いで決まります。画家たちの発想と描き方の違いを見るのもまた一興でしょう。最初は葛飾北斎の通称『赤富士』です。


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1.富士山なら『凱風快晴』。夏から秋に掛けて晴天の日の早朝に一瞬赤く染まることがあるそうだが、赤の彩色が独創的だ。斜面を実際より急角度に描く工夫と相まって、上半分の形は鉄を鍛えるために火で熱され、打たれた刃物のように見える。




北斎 「羅に隔るは不二」(1835年頃)

2.北斎『に隔るは不二』。「羅」とは鳥網のことだが、ここでは蜘蛛の網の意。富士山が蜘蛛に捕らえられていると発想した視点が特異だ。左下の蜘蛛がいる円は太陽のようで、その陽光が同心円状に拡がって、途中から蜘蛛の巣になっている。





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3.二代目歌川豊国『名勝八景 富士暮雪』。浮世絵は遠近感が誇張された構図が多いが、これは麓の浅間神社を大きく描いて、富士の神聖さと人々の信仰を表している。山の中腹にも神社や鳥居があり、その下には白装束姿の参拝者の列が見える。





新大はし橋下の眺望』歌川

4.歌川国芳『東都富士見三十六景 新大はし橋下の眺望』。国芳は「奇想の絵師」と呼ばれただけあり、富士山を橋の下から見る意外な構図を考えた。橋げたに一部隠れて遠慮がちな富士山と、舟の上に堂々と立つふんどし姿の男の対比が面白い。





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5.歌川広重『富士三十六景 甲斐大月の原』。広重は、富士は描き飽きたとばかりに輪郭線だけにし、野の花々を丁寧に描いている。もっと花を沢山入れて枝をくねらせるとミュシャのような華麗な装飾画になるが、日本の絵は可憐で淡泊である。





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6.川瀬巴水『山中湖不動坂』。昭和の画家・巴水も生涯で富士を50作品ほど描いている。泰西名画のような描き方だが、当時の日本は海外への輸出を視野に入れており、外国人に受ける古き良い日本の風景を反映した作品の制作が求められていた。





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7.山下 清の『日本平よりの富士』。上の巴水の絵を左右反転したような構図だが、富士と湖と樹林の3点セットは誰もが思いつくのだろう。清は「裸の大将」・「日本のゴッホ」と呼ばれ、色紙をちぎって貼る、点描法のような画法を得意とした。





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8.酒井抱一『絵手鏡 富士山図』。群青の空に浮かぶ真っ赤な日輪。中腹にたなびく金色の雲が静謐な空気感を表現している。尾形光琳に私淑した抱一は、不必要な要素をそぎ落とし、日本的な審美眼をシンプルに表すことを意識していたようだ。





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9.横山大観『夏之不二』。生涯に1500点もの富士山を描いたと言われる大観は、ここでは雲に注目し、厚い雲海の上に群青色の富士山頂がひょいと顔を出す奇抜な構図を考えた。文部省唱歌の「頭を雲の上に出し~富士は日本一の山」を思い出す。

 



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10.片岡珠子『富士赤』。北斎と同じ赤富士だが、絵のタイトルを前後ひっくり返しているように、正反対の方向を目指している。明治38年生まれの日本画家にしては大胆というより型破りなデフォルメとエネルギッシュで鮮やかな色遣いがいい。





リトグラフ 版画 平松礼二 春山水

11.平松礼二『春山水・ジャポン』。中央の富士と周りの野山をパターン化することに徹底し、着物の小紋のような布切れをパッチワークしたように描いている。北斎以降の画家は周辺の脇役に比重を置き、真正面からの勝負を避けているようだ。

 



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12.最後は私の一番好きな北斎の『神奈川沖浪裏』。史上最高の大胆極まる構図が印象派の画家を震撼させた。豪快な海の大浪が、富士山に襲い掛かっているようだが、富士山の存在感は不動だ。舟の人間は体を硬直させ、自然に畏れ入っている。





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〈欄外〉橋向 真『新・富士山景 神気』。撮影現場から作品をSNSに公開する写真家の作品。美しい風景写真を見ると、人間がどんなに工夫して必死に描いても、自然が織り成す一瞬の情景には敵わない場合もある。創造者は最高の芸術家なのだ。

 


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※『赤富士』の赤は、元は茶色とか白だったが、版元が客の好みを見ながら色調を変えていったという説があります。『赤富士』をある程度摺った後の版木で別バージョンとして藍摺がなされた『青富士』も現存しています。ただ、『赤富士」は、赤でなければ、これほど有名にはならなかったでしょう。
 http://binotankyuu.blog.fc2.com/blog-entry-1.html  
 https://zatsuneta.com/archives/004911.html
 https://serai.jp/news/379403
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 「苦しい時こそ神頼み」でも願いは叶う秘訣。 


 「苦しい時の神頼み」とは、普段信仰心のない人でも切羽詰まったときには神仏にすがる(ので身勝手なものだ)という意味ですが、これは「溺れる者はワラをもつかむ」ことわざに似て、神仏は頼りにならないという揶揄があります。

 しかし「信仰がないと駄目だ」とか「真面目でないと救わない」という神仏こそ愛がなく、身勝手じゃないか、と思う人もいるでしょう。

 そこで今回は、別に神仏に頼らなくても願いが叶う秘訣です。

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  「治してください」と言ってはならない。―――石川 洋さんの体験

  石川 洋さんの著書『ありがとう宣言』勉誠出版より要約します。

 死んだら時間もスペースもなくなり、意識が即、現実になる。 


 神さんが大阪ナニワのほうに現れました。なんでも当たると評判です。
 見た目と言葉遣いは気にしないで、解答の論理性と合理性を見てください。

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人:一番の関心事を質問させてください。人間は死んだらどうなるんですか?

神:人は死にはしまへん。死ぬことはでけへん。あんさん方は生命そのものや。生命が生命でなくなることはでけへん。せやから臨終のとき、「死んだ」人は大抵、自分が死んだとはすぐには信じられへん。

人:心の中に混乱が生じませんか?

神:よく臨死体験者が言うように、「自己」すなわち魂は、自分の身体が横たわっとるのを見るかもしれへん。誰ぞのことを思えば、思考と同じスピードで、その人のそばにいることに気付く。なんでも考えたとたんに創造され、実現されるので、すべての出来事は自分の思考が創り出すものと知るっちゅうわけよ。

人:意図して思考を集中すれば、それが現実になるのですか?

神:生きてるときと唯一ちゃう点は、結果を経験するときの速度が速いことやね。魂が肉体を持っとったときは、思考と結果の間には何日か何か月か何年かのズレが生じる。それが、物事は自分が「起こす」のやのうて、自分の身に「降り掛かる」って思う幻想の元なんよ。
 この幻想のために、人は自分自身が物事の原因であることを忘れる。ただ、この幻想も、宇宙のシステムの中に組み込まれとったプロセスの一部なんやけどね。


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